思っていなかった場所で看護師として勤務することに。激闘の新人看護師時代

看護師録

看護師歴20年以上のクロミキです。
今回はタイトルの通り、新人看護師時代のお話をさせてもらいます。

どんな仕事でも新人時代は苦労が付き物。
私の場合は勤務地自体も地元や近場ではありませんでしたから、色々と思う所もありました。

看護師として、私のように勤務地や職場(科)などが思わぬ場所になって悩んでいる人。
そんな人に、少しでも自分だけが特別不幸じゃないんだと思ってもらえると幸いです。

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新人看護師 赴くは未知の土地

さて。前回はなかなか重たい話しでしたが、今回は新卒で実家を離れて働いた職場での思い出話しでもしようと思います。

私が最初に働いた職場は国立病院(今でいう国立病院機構)でした。
一応内科への配属を希望したんですが···配属されたのは『内分泌·代謝、皮膚科、腎臓内科の混合病棟』

これ、名前みただけやと何? って感じですけど、病棟の患者さんの半分くらいが糖尿病の患者さんでした。糖尿病が半分? 楽そうやん! と思ったそこのあなた!! これが全然楽やないんです。

教育入院目的の人から、血糖コントロールめちゃくちゃの人、インスリン導入から、糖尿病性腎症で透析してる人、糖尿病性足病変で、足がぐちゃぐちゃの人とまで様々。

日々の業務の中で糖尿病教室の講師をするのも看護師の仕事で、そのための勉強もしなくちゃやし。毎食前の血糖測定の人数が半端ない。

その血糖からインスリンをスケールうちしてる人もいて、そんな中、絶食検査なんてあったりもするから、指示の確認でバタバタ!

インシデント起こさない様にするのに必死でした。
しかも、さっき言った毎食前の血糖ですが···朝食前の血糖だけは先生が採血でオーダーするから毎日の採血が半端なく多い!!

これは深夜の業務やったから、もう1人の夜勤の人と(当時は夜勤は2人体制)患者さん起こしても怒られないギリギリラインの5時30分からヨーイドンで採血開始!

寝込みドッキリみたいにボソボソ声で患者さん起こして、薄暗いなかの採血···鍛えられました笑
そんで他にも内分泌って事で甲状腺の疾患の人や、なぜか摂食障害の人もうちの病棟が担当。

皮膚科も天疱瘡とかベーチェット病とか、薬品で火傷した人とか入院してるし、病棟で腎生検もするし···まあ、結果なんでもありやん。みたいなとこでした笑

前置き長くなったけど、そんな中忘れられない患者さん達···。

1人目 私に初めての採血のために腕を差し出してくれた漁師のおじちゃん!

「なんぼ失敗してもええ。何回でもやれ!!」って、やらせてくれました。私の採血人生ここから始まりました笑

2人目 糖尿病のせいで全盲になったおばあちゃん。家族大反対の中全盲で1人で家で天ぷらをあげるという強者でした。この人に自己血糖測定を指導するというかなり難しい事を2年目で経験。めっちゃ勉強になりました。

3人目 40代の肺癌のおじちゃん。数日前まで元気に話してたのに···肺炎が一気に重症化して、地上で溺れているような状態に···私が準夜の時に永眠されましたが、死後処置をしながら涙が止まりませんでした。

4人目 食事療法があまりにも守れなかったおじいちゃん。もうこれは言葉通り、喧嘩しました笑

「なんでお前にそんな事言われんといけんのや!」
「そんなん言って、このまま続けてたら死にますよ!!」

そんなやりとりほんとにしました笑でもしつこい私の指導に負けて、退院する時にはめっちゃ感謝され、退院後も手紙と一緒に食事療法できてる証拠の食事メモが送られてきました。

他にも色々ありすぎてキリがないので、次で最後笑

5人目 拒食症の人。病気やから仕方ないんですが、病識全くなく、点滴自己抜針して病院脱走。結局冬の寒い朝でしたが、私とプリセプターさんで近くの商店街を爆走して捜索!勿論白衣のままで(当時はナースキャップもあり)。

で、結局商店街を抜けた公園で発見。電話もってなかったので、見付けた事を病院に報告するために唯一その時間開いてたパン屋さんに電話かりました。
いやぁ···いい思い出です笑

新卒からの3年はとにかくあっというまで怖いもの知らず。良くも悪くも体当たりって感じで医者や他部門の言ってる事がおかしかったらケンカ上等!笑

でも怖くも暖かい先輩方のおかげでとりあえず日々の業務を1人でこなせるようになりました。
最初は苦痛で仕方なかった職場がとても居心地が良くなって、楽しく仕事してました。

でも「ここで帰らなかったら、私一生地元に帰らない気がする」そう思い始めた頃、母親の「もしかしたら癌かも」疑惑浮上。(結果違ったんですけど)これは、帰れって事やなと思い地元にもどる事に···

職場の人からめちゃめちゃ引き止められたのは正直うれしかった。

看護師として1人前になった!私ってできる!!
そんな大勘違いをして帰郷。

地元の国立病院へ転勤と言う形で就職。

またまた地獄が待っていたー!!
この話しはまた別で。

あとがき

国家資格を持っている。
とはいえ、所詮は雇われの身ですから、多くの事に目をつむることになります。

今回の内容にある勤務地なんかは最たるもの。
それでも、資格を持っているからこそ、そうしたスキルや資格がない人に比べれば選択肢の幅は広がるわけですが。

ドクターXのような傍若無人な態度はドラマの中だけの話。

慣れない勤務地や人間関係に悩むことはあると思います。
でも、それはアナタだけではなく、普通に働く人のほとんどはそうですよね。

だからって、なんでもかんでも我慢しろとか、どんな理不尽にも耐えろなんて言う気も全くありません。

多くの人はそんなもんだから、気持ちを楽に持って。
あまり気張り過ぎて心の糸が切れてしまわないように気を付けてくださいね。

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