【地獄の実話!?】看護実習は辛いけど…。 印象に残った6つのエピソード

看護師録

はい、看護師歴21年で実務歴16年オーバーの現役看護師『クロミキ』です。

今回は前回の続き。

看護実習ってどんな感じ? その実態を21年目の現役看護師が振り返る

この記事で触れた看護実習の中でも、特に印象に残っている6つの実話を書いていきます。

これを読むことで、直接的に看護実習が楽になる。
なんてことはありませんけど、これぐらい様々な経験を得られる場でもある。

そのことだけでも知っておけば、看護実習に向かう気持ちが少しは変わるかも知れません。
…逆にイヤになる可能性もありますけど。

クロミキ
クロミキ

ま、単純な読み物として気楽に読んでもらえると嬉しいです!

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看護実習で特に記憶に残る6つの実話

では、看護実習の中で特に印象に残っている6つの話。
これをそれぞれの科に分けて書いていきます。

循環器内科編

一番最初の本格的な実習、循環器内科 。
心臓の解剖生理や心電図、何回勉強してもなかなか頭に入りにくい苦手分野。

受け持ちになる患者さんあんまり難しい疾患の人やなかったらいいなぁなんて思いながらグループのメンバーと病棟へ。

指導者さんと一緒に「○○さんの担当の□□さん」って紹介されなが回る。
「よろしくお願いします」って挨拶とかしながら···。

で、いよいよ私の受け持ち患者さん紹介の番

「クロミキさんの担当のM野さん」

····えっ?
固まったのは私だけやなくてメンバーも一緒。

他のメンバーの患者さん、年齢や性別は色々やけど、みんなもちろんちゃんとベッドに寝てる人。
が、しかし···私の受け持ちのM野さん。

ベッドなし! 床にゴザひいて転がってる···。

最初に言いましたが、これほんとに初めての本格的なな実習。
その実習の受け持ち患者さん、ござに寝てる。

今ならね、何でベッドに寝てないかなんてみればすぐ理解できるよ。
認知機能低下がひどすぎて、ベッドに寝かしてたら転落繰り返して危険だから。

でも、その時の私にはそんな知識ないからただただ衝撃···

挨拶したって返事もなければ会話もままならないし、なんなら視線すら合わない人。
正直M野さんの疾患名は忘れた(笑

循環器内科の実習のはずが私はそこで認知症の人のトイレトレーニングの実習をする羽目になったことだけはよーーーーく覚えてる。

時間を決めてトイレ誘導。

今考えれば循環器内科一切関係ないし、看護師忙しいから学生にその人が転倒とか離棟とかしないように見張らせるのが目的やったんやろなと思うけど。

当時の私はそんなこと分からんから、ひたすら一生懸命トイレトレーニングして、全然できなかったトイレでの排泄が少しずつできるようになった頃に実習終了。

なんなら指導者さんにはよくやったって誉められた(笑

後からその病院に行ったグループ情報ではM野さんはわたしが行かなくなって全くトイレには行かなくなってたらしい。

整形外科

腰椎圧迫骨折のおじいちゃんが受け持ちだった。

毎日奥さんが面会に来てて、一緒にリハビリ行ったり話し相手になったりするうちにめっちゃ気に入られて「息子の嫁になってくれ」と懇願された(笑

それはもちろん丁重にお断り。
で、実習最終日。

お別れを伝えると号泣されて、実習関係なく明日からも来て欲しいと言われた(笑
他の病棟での実習があること伝えると、次はどこか聞かれてそこに会いに来られるほど気に入られてしまった。

学生は看護師に比べて時間があるから患者さんの話しをゆっくり聞いてあげる事ができる。
その分気に入られることも多くて、私の同期で実際に受け持った患者さんの息子さんと結婚した人もいるぐらい(笑

それと、整形外科は病気ではなくケガで入ってる人も結構いるから、案外元気な人も多い。

私と同じグループだった子の受け持ち患者に中年のオジサンがいて、その子と私ともう1人をメチャクチャ気に入ってくれた結果、退院後に3人まとめて焼肉に連れて行ってもらったこともあったり。

比較的、気持ちの部分では楽だと感じる科だと思う。

耳鼻科

喉頭ガンの術後。
発声ができない60代の男性を受け持った。

ラリンクスを使っての発声練習をさせるよう実習指導者から言われていたので、一緒に練習できるよう関わったけど全く練習してくれず。

かといって会話はできないので実習時間2人で水戸黄門観てた(笑

最初はとにかく練習するよう盛り上げてたけど、自分がやる気になってない所に周りがワーワー言ってもダメやなと思って無理強いはせず、ただただ側にいただけ。

残念ながら実習期間中には積極的に練習始めるなんて変化はなかった。
で、そのまま期間終了して次の実習先へ。

次の病院で実習してたある日廊下で視線を感じた。
誰?と思ってみると耳鼻科で受け持ってたおじちゃん。

私のところに駆け寄って来てパッと封筒を手渡してきた。
お金じゃないよ(笑

中には手紙が入ってて

「来てくれてる時に練習しなくてすみませんでした。今頑張って練習始めました」って書かれてた。

私の関わり方はあってたのかなぁ。
って思えてうれしかった。

小児科

これまた循環器内科の時と一緒で、この子を学生に受け持たせるかね···と言うケース。

グループの他のメンバーは喘息の子とか骨折の子とかだったのに、私が受け持ったのは洗濯機で溺れていわゆる植物状態になった2歳の男の子···。

顔が浮腫んでてパンパン。
気切してて定期的に痰の吸引しないと窒息しそうな状態。

お母さんは夜の仕事してる人で日中の付き添いはおばあちゃんがしてた。
これは循環器内科の時とは違って、何故こんなケースを学生に受け持たせたのか今でもナゾ。

強いて言うなら小児科で患児自身との関わりだけやなくて重篤な状態に子供がある家族との関わりを学ばせたかったのか···。

残念ながら私が看護師になって1年目の秋頃にその子が亡くなったと言う話しを聞いた。

産婦人科

これは受け持ちがというか産婦人科での実習全般の話。

まず、看護師以上に助産師が怖い!

で、どうやら今時は実習時間内にあるお産しか見ることができないらしいけど。
私の時は「お産待ち」ってものがあって、夜間でも深夜やなかったら呼んでもらって見に行けた。

だから私も3件見ることができた。

見た目ヤンキーみたいなお母さんで、家族の誰の付き添いもなく陣痛に耐えて1人でスポーンと産んだ人。

陣痛でウーウー言ってる中、光浦靖子に似ている助産師さんみて「光浦さん!」って突然叫んで見学してた学生、私も含めて必死で笑いこらえる事になった統合失調症のある人。

初産で陣痛きてるのに全然産まれなくて一旦学生帰ることになって、次の日行ったらまだ産まれてなくて···。
原因は産道が浮腫んでた事やったんやけど、その間ずーっと旦那さんが付き添ってて、こんないい旦那さんもいるんやねぇと学生一同感動した人。

色んな人がいて、色んなお産があるんだなって言う事を目の当たりにした実習だった。

精神科

私が実習に行った精神科は、鉄格子がついた部屋が2つあって監視カメラがついてる部屋があった。

まず実習に行ったその日にその中で暴れまくってる男性がいた。
アルコール依存性の人で離脱症状がひどかったらしいけど、暴れすぎてパイプ椅子で蛍光灯破壊。

その瞬間何事もなかったかのようにベッドに横になる患者さん。
監視カメラでみてたみんな「えーっ」って感じやった。

で、私やなくて同じグループの子が受け持ってた若い女性の患者さん。
疾患名はハッキリ覚えてないけど、かなり行動がやばくて常にカメラで監視できる部屋にいた。

入浴介助に入った時、突然風呂の中に沈んで受け持ってた子がビショ濡れになりながら救出。
お風呂上がりは服の上から下着を着けるし···。

これも今はないんやろうけど。
精神科の実習中、1回だけ夜勤の実習もあった。

その時はロビーにある講習電話のお金を使わずに救急要請できるボタン。
右下に付いてる赤いヤツ、患者さんがあれを押して救急要請。

病棟の看護師さん達は「またやられた」って感じで救急隊に病院の精神科だって冷静に伝えてたけど。
こんな状況は教科書とか授業だけやと分からんから、実習ってほんと必要なんやなって思った実習。

あとがき

今ならここに書いた様な事態に遭遇しても、この時ほどのインパクトはないと思います。
けど、看護実習の時は全然違う。

だって、ほんの数年前まではこういう場面に遭遇することがない生活を送っていたわけだから。

看護実習が始まると全く新しい経験ばかり。
しかも普通ではない空間に放り込まれるんだから辛くて当然。

辛くてシンドクて、泣きたくて逃げ出したくて。
それはアナタだけじゃなくて、看護実習生のほぼ100%が感じていることだと思う。

だからって無責任に大丈夫とは言えません。
でも、多くの人がそれを乗り越えているし、私自身もそうだったから、多分だけど大丈夫!

同士と一緒に、なんとかうまく乗り越えてください。
経験を積むことで、慣れるし自信がついてくると思います。

辛いだけじゃない。
人生の糧になることや嬉しいことも学べる貴重な機会。

それが看護実習だと思って、騙し騙しやっていきましょう。

お次は

看護学校は大変だけど、全てに全力でぶつかる貴重な日々。だった気もする

ですので、お暇な時にぜひ。

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