どーも、クロミキです。
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さて。前回新卒からの3年間のエピソードを話したので、今回はその続き。
3年の経験積んで病棟での日勤リーダーやプリセプターやらを任されたりして、他のスタッフからも頼りにされて、完全に天狗になって戻った地元の国立病院での話です。
命に対する価値観が変わる、考えさせられる修羅の場所
内科での経験を生かしたいので、内科病棟への配属を勿論希望。
なんなら糖尿病療養指導士の資格も苦労して取ってたし。
間違いなく内科で働けると思って職場へ。
病院そのものは自分が通ってた看護学校の附属の病院だったので馴染みはあった。
看護部長だか院長だかの部屋に行って辞令が渡された。
「配属先:NICU」
はっ?いや、待って。内科は? 糖尿病は? NICUって何?
軽くパニック···。
全く希望してないし、頭の片隅にもなかった部署。学生の時2日間だけ入ったあの部屋···学生の間で怖い実習先の上位にランクインするくらいのところ。
NICUに案内されて入室。
一般病棟と違うので靴を履き替え、予防衣をつけて···気が遠くなりそうだった。
中に入って自己紹介してとりあえず簡単に中の事を紹介されたと思ったら早速バイタル測定をするように言われた。
さすがに保育器に入った子ではなくてコット(新生児が寝かされてるベッド)の子のを計ってって事だったんやけど···計り方が分からん···。
大人だったら体温計渡して、自分で挟めない人はこっちが脇に挟んで、脈も手首で計れるし、SpO2も大体の場合指挟めば計れる。
赤ちゃんは違う。
首の後ろに体温計挟んで、脈は聴診器で心拍を測定。SpO2は手首とか足首に巻いたモニターで計測。
計り方は教えてもらってなんとか測定できた。
でも正常値が分からない。大人と違う···ただ、ただショックを受けて1日目が終わり、駐車場へ。
車の中でこんなにも自分が何もできないのか、自分のやってきた3年間はなんだったのか···。
色々考えて涙が止まらなかった。
前の職場で大好きだったプリセプターさんに電話してしまっていた。
「もうダメです。NICUなんてできません。帰りたいです」
泣きながらプリセプターさんに訴えた。
そして言われた
「最初はキツイかもしれん。でもあんたなら絶対できるから! 頑張り! あんたは私が教えたプリセプティーの中で一番やったんやから!」
ホントに1番だったかは分からん。
でも、大好きなプリセプターさんがそういうならやるしかないのかもしれない!
もう帰ってきてしまったんやし、どうしても無理なら辞めよう。他の職場を探そう。そう思ってネガティブだけど負けず嫌いな私の第2の新人生活が幕を開けることになった。
覚悟を決めて挑んだNICU業務。
毎日が初めての連続だった。
私が仕事してた頃は赤ちゃん達のミルクもNICUの奥にある部屋で看護師が作ってた。
ミルク作るのも初めて。
調乳した後オートクレーブにかけてミルクができあがる。
できあがったら体重によってミルクの種類も量も違うので、それぞれの子にあわせて準備。
哺乳瓶で飲める子もいれば未熟児でレビン入ってる子は1回量2mlとかの世界。
シリンジにミルクを準備。これが慣れるまでかなり時間がかかってしまって···怒られた。
抗生剤の点滴も大人とは量が違う。
体重から計算して、0.2mlとかをメインルートの側管から入れる。
メインルートは大人で言うところのCV(IVH)みたいなのでPIルートって言うのがあって、ルート確保はドクターの仕事。
保育器に入ってる子に関しては一人の子に対してシリンジポンプが8台くらいついてて、人工呼吸器も装着されて、もちろんモニターもついてる···。
他にも上げだしたらキリがないくらいほんとに分からない事、できない事だらけで···勉強した!
私、頑張りました!!笑
全く畑違いで役に立たないと思ってた前の病院での仕事内容もやっぱり経験として自分のものになってて、新卒の時とは比べものにならないくらい急成長(自分で言うな笑)3ヶ月くらいで一通りの事はできるようになった。
ただ、それでも当時は夜勤1人だったから、夜勤は怖かったー。
準夜終わる頃に電話がなって25週の子が産まれるからって言われた時とか。
夜勤の間中SpO2上がらんからってバギングして、でもバギングするとお腹が膨れるからってレビンからair抜くっていうのをドクターとやり続けた時とか(この子は結局奇形があって、食道と気管に穴があって空気がもれてたのが後になって分かった)ほんとに泣きたい事もいっぱいあった。
この病院のNICUは当番制で小児科の外来にも出てたんやけど、これも慣れるまではほんとにイヤだった。
最初はほんとに即辞めてやろうと思ってたけど、できるようになると頼られるし、頼られるとうれしいからまた頑張れるし。
看護師ってほんと大変でハイリスクローリターンな仕事ってよく思うけど、自分が認められると楽しいって思ってしまうから、なんだかんだ辞められないんだと思う。
まあ、それがやりがい搾取につながるんやけど···。
NICUで働き始めて2年目。
学生指導とかも任されて充実してた時にプライベートで大事件!
私の妊娠が発覚。
つわりがめちゃくちゃひどくてマーライオン状態。
1ヶ月で8㎏痩せた笑普通なら入院するレベルらしいけど、私全然しんどくなかったので、ふつうに仕事続けてました。
ただ、予定日の2ヶ月前くらいからお腹がめっちゃ張るようになった。
張り止めの薬は動機と手の震えがすごくて継続できず。
働いてた病院の産婦人科にかかってたんやけど、先生から
「このままだと自分の子供NICUに入れるようになるよ」
って言われて診断書書いてもらって早目に産前休暇に入る事に···。
看護師として働いていて妊娠した時。
その時の対処法や経験則をもう少し詳しく書いた記事もあります。
人はそれぞれ耐久性って違うと思うから、自分がダメになってしまうほど無理するのは良くないけど、私は結果としてNICUに配属された時逃げなくて良かったと思う。
希望通りの配属先じゃなくて看護師辞めるくらいなら、部署変えてもらった方がいいと思う。
でもやれるとこまでやってみるのは絶対自分にとってプラスになる!
やったら意外と自分に向いてる、とか楽しいとか、新しい発見に繋がるかもね。
あとがき
正直、本当に辛かったです。
ただ、仕事をする上で誰しもが多かれ少なかれ通る可能性が高い道だと思います。
NICUでの勤務は激務でしたし、なにより命に対する価値観を含めて本当に修羅場だったなと。
当然、レスキューの現場など他にもシンドイ職場はあると思いますが、そこそこ上位じゃないかな~とも思います。
そんな経験、つまりシンドイ目を早い内。
若くて元気のある内に経験しておくと、後々になって楽に感じることも多くなるかも知れません。
なので、今が辛くてシンドイ場合も、将来的には自分を助けてくれる可能性が少しはある。
そう考えると向き合い方も変わるかも。