看護師は頭が悪くてもなれます!
という人もいますが、これは非常に不親切な説明です。
看護師と一口に言っても、正看護師と准看護師では話が違うし、正看護師でもその資格を取得するまでのルートで必要な学力は全然変わるのが事実。
つまり、自分の学力に応じて適切なルートを選ぶことが必須になります。
この記事を読めば、
- 看護師は頭が悪くてもなれる。の本当の意味
- 各ルートで、どのぐらいの学力が必要か
この辺りのことが分かります。
実務経験16年以上の現役看護師の意見なので、少しは参考になるはず。
詳しいプロフィールはコチラ。
頭が悪くてもなれるけど、簡単になれるわけじゃない
この記事内での頭が良い悪いは、あくまでも「学校のお勉強での学力」に注目した場合。
本質的な頭の良さや、人間性の良し悪しの話ではありませんし、お金やその時の環境でやむを得ずの場合は除きます。
また、正確に偏差値いくらと提示することも無理です。
あくまでも私の経験からくる私見であることはご理解を。
で、繰り返しになりますが、どのルートで看護師を目指すかで必要になる学力は大きく変わります。
看護師になるためのルートは、ザックリ言うと
- 高校の看護科に通う
- 看護師専門学校に通う
- 看護大学に通う
基本的にはこの3つのいずれかに進み、正看護師か准看護師を目指すことになるでしょう。
それぞれに必要な学力は、通おうと思っている学校に準拠します。
学校別ではなく、准看護師と正看護師の括りで考える場合は、以下の感じです。
准看護師のルート
必要となる学力は、ザックリ中卒レベルです。
これは、高校の看護科が存在することからも分かります。
なので、准看護師であれば、ちゃんと中学校に通って日本語が分かればOKです。
いわゆる技能実習生のような外国人の方でも通る試験内容なので、よほど頭が悪く、やる気がない場合を除けばなれる可能性は十分にあります。
准看護師の試験においては、とにかく記憶力が全て。
内容が変わっていれば別ですが、おそらく4択のマークシート型式。
かつ、教科書などそのままで問題が出題されるので、とにかく覚えればなんとかなります。
正看護師のルート
必要となる学力は、ザックリ高卒レベルです。
ただ、准看護師と比べると格段に難しくなっています。
偏差値で言うと最低でも50ぐらいは欲しいところ。
また、行く専門学校や大学で必要になる偏差値は大きく変わります。
普通の大学受験と変わらんってこと?
そうね、その考え方でOK
ただ、別に理系じゃないとムリとかの話ではないです。
それに関しての詳細は以下の記事を読んでみてください。
ちなみに、正看護師の試験も暗記が基本ですが、それに応用力が必要になります。
マークシート4択ではあるんですけどね。
准看護師と正看護師の試験内容の差を書くなら、
准看護師:中学校の試験
正看護師:大学の試験
という感じのイメージです。
もう少し詳しく、准看護師と正看護師の違いや、看護師になるための方法を知りたい場合は、
看護師になるには?実務16年超えの現役看護師が資格取得までの流れや費用などを解説
の記事を参考にしてください。
頭が悪くても看護師になれますが…
正直、個人的には頭の悪い人には看護師になって欲しくありません。
ですが、特に准看護師であれば、先述の試験内容も相まって運が良ければ誰でもなれてしまいます。
なので、無責任なサイトや実際にしっかりと看護業務を行っていない人は
看護師なんて誰でもなれます!
と適当なことを吹聴しているわけです。
あるサイトを見た時には、看護師をバカにしているのかと憤りを覚えたぐらい
そのサイト(ブログ)の運営者のプロフィールが30代の看護師ってなってたから尚更。
資格がある=本当の看護師ではない
看護師試験の合格率は約90%とされています。
このことから、特別な資格やスキルのない人が看護師を目指すのでしょう。
男女平等が叫ばれる世の中ですが、まだまだ男尊女卑があるのも事実。
特に、仕事に関しては。
その中で、手に職をつけ、それなりの給料も貰える看護師という資格が女性には魅力的に映るのも分かります。
ただ、看護師は思っている以上の激務です。
なにより、人の命を扱う仕事。
軽い気持ちで簡単に看護師を目指すのはおすすめしませんし、そうした人が実際に現場に増えたことで正直迷惑することも多いです。
看護師に限らず、人材の質が落ちているとは思うね。
というより、人材の格差が大きくなっているって感じかな
看護師資格を取るのは、あくまでもスタートラインに立っただけの話。
資格を取って満足し、ロクに仕事もできないのに文句や不平不満ばかりを口にする人は勘弁して欲しいと思います。
主張すべき権利や誰もが納得する理不尽に耐えろとは思いません。
が、権利を主張するなら、他を納得させる実力を持つという義務を果たすのが先です
求められるのは学力だけではない
あくまでも看護資格取得までに必要なのは先述レベルの学力です。
ですが、実際に看護師になってからは、それ以上に必要な能力がいくつもあります。
一言でまとめると、
「聖徳太子なNo.1キャバ嬢」
「耳がダンボな名女優」
になることです。
…はい?
以下の様な能力が必要ってこと
- 人の話をちゃんと聞く(興味が無くても)
- 興味が無くても、有るように見せる
- 気遣い、心遣いができる
- 向上心がある
こんな感じ。
これらを1人に行いながら、他の人にも常にアンテナを張って対処できるようにしておくってこと。(向上心は除く)
…当然、看護師としての最低限の知識や技術は必要ですよ。
あくまでも、ちゃんとした看護師になるならって話。
まとめ
看護師の資格を取るだけなら、頭が悪くてもちゃんと努力をすれば大丈夫。
あくまでも資格を取るだけならですが。
ちゃんと働ける、本当の意味での看護師に頭が悪くてもなれるか?
と聞かれれば答えは限りなくNO。
看護師は頭が悪くても、誰でもなれますよ!
という無責任な甘言に踊らされて看護師になった結果、トンデモナイ苦労をするのはアナタです。