・看護師になるにはどうすれば良いの?
・社会人として働いているけど、看護師になれるの?
というお悩みに、現役看護師がお答えします。
この記事内では、社会人から看護師を目指す場合を主に想定していますが、その他の立場の人も参考になる内容だと思いますよ。
正看と准看の違いは?
まずは、「正看」と「准看」の違いをザックリと説明します。
ここでは、あくまでもザックリとした説明をします。
正看:国家試験を受け、合格したら貰えるのが正看の資格
国家試験は年に1回。
試験会場は最寄りの大学などでOK。
受験資格を得るまでの最低期間は、高卒レベルで3年は絶対に必要です。
看護専門で3年、看護大学だと4年。
また最終学歴が中卒で受験することは出来ません。
高卒程度の最終学歴を有し、専門学校や短大・大学に通った後に受験資格が貰えます。
つまり、学校に行くだけで貰える資格ではないってことです。
ウチの学年は48人中3人ほど落ちました。
正看の場合は授業が日中にほぼ毎日あり、それに通う必要があります。
夜間のバイトなどは可能ですが、他のことを(定職に就いた状態など)しながら兼業で行うのは不可能でしょう。
すでに准看の資格があれば、通信制の正看資格を得るための学校もあるので、それを使えば可能は可能ですが。
ただし、実務経験~年以上など、別の条件が必要な場合ことも。
どちらにしろ、絶対に学校に行かないとダメな日や実習のために休む必要があるため、それが可能な職場である必要があります。
准看:各都道府県が行う試験に合格したら貰える資格
開催日程は都道府県によってまちまち。
なので、日程が被らなければ、他の都道府県の試験を重複して受けることができ、年に数回受けることも理論上は可能です。
試験内容やその後の待遇などに違いがあるので、正看か准看でどちらの資格を取るかを最初に明確にしておくべき。
中卒でも准看の資格を得るための学校に入学することは可能です。
看護師になるのに必要な費用
看護師になるのに、どれぐらい費用が必要なの?
う~ん、完全にまちまちやね。
どのルートを選ぶかで全然変わるよ
昔は、国立付属の看護学校なら授業料などはビックリするほど安かったのですが、現在ではそうでもありません。
さらに、専門学校や私立の場合は相当にお金が必要です。
私立大学なども同様に、普通に大学に行くのと同じぐらいは費用が掛かります。
ここで比較する金額は、あくまでも「授業料だけ」を単純に比較したもの。
教材費や実習費などは学校によって違うので注意してください。
社会人が正看を目指す場合の費用を簡易シミュレーション
国立の場合
年間55万程度。
ただし、これは筆者の周囲の話なので、地域によって差がある。
私立の専門学校の場合
年間50万程度。
これも地域や学校によって大きな差がある可能性が高い。
私立の大学の場合
年間160万程度。
これもあくまでも平均値。
なんで、国立の学費って高くなったの?
国立が国立じゃなくなったから
…はい?
多くの元国立は、独立行政法人国立病院機構になっています。
要は、親方日の丸じゃなくなったって話。
なぜそうなったかの詳しい話は分かりませんが、色んな事情が重なった結果です。
クロミキの時(20年ぐらい前)は年間で10万以下の授業料でした。
なんで私立の専門の方が安いのに、大学行くの?
学歴社会であり、目指している場所が違うからかな
論文作成や研究などに力を入れたい、そういうのが好きな人。
看護技術ではなく、看護論を主にしたい人なら大学の方が良いでしょう。
実際、どこを選んでも授業として受ける内容は基本的には一緒(国家試験を受けるための勉強)。
なので、最終的なビジョンがあるなら、それに合わせて選ぶ方が良い。
後は、なんだかんだで学歴社会なので、専門よりは大学の方が拍が付くとされる場合もあります。
あくまでも、私の勝手な意見ですよ~
社会人が准看を目指す場合の費用を簡易シミュレーション
准看の場合、公立や医師会立などで資格取得の勉強をします。
その場合も年間に掛かる授業料はほぼ一緒。
50万程度です。
ただし、2年間なのでトータルの金額は安くなります。
とは言え、100万~120万程度の費用は必要です。
社会人が目指すなら、現実的に正看?准看?
正看と准看って、結局どっちが良い感じ?
どうせ取るなら正看をおすすめします
理想としては、正看の方が良いでしょう。
後々の給料も良いし、どうせ無くなりはしませんが、一応は准看の資格は廃止というアナウンスもあるためです。
とは言え、少なくとも30年以上准看の資格はなくなっていませんけど。
都道府県によっては、これ以上准看を育てることを止めている所もあるので、今から目指すなら正看がベスト!
現実的に、現状は准看の資格を持ってなく、無資格の状態から社会人が正看を目指すなら、それ一本に絞らないと不可能。
仕事をしながら片手間で。
で取れるほど簡単な資格ではありません。
働きながらでも資格が欲しいなら、准看の方が現実的です。
準備とモチベーションが大事
看護資格を得ようと考えた場合、やはりお金の面が心配になるのでは?
そこで「奨学金」という選択肢が出てきます。
ただ、奨学金はあくまでも借金なので、将来的な返済のビジョンを持って利用しないと、後々シンドイ目を見ることに。
また、奨学金の中でも「看護奨学金制度」は少し特殊。
奨学金を借りていた期間と同期間、お金を出してくれた病院(医療法人)で働くことで返済が免除になるからです。
いわゆる御恩と奉公だね
こうした制度を利用しない。
とりあえず資格は取るけど、すぐに働くかは決まっていない場合などは、まず資金を準備する必要がありますね。
また、モチベーションの維持も難しい人が多いようです。
「ちょっと資格が欲しいわ~。」
ぐらいの軽い気持ちでは痛い目(レポートの多さや、実習の厳しさなど)を見る可能性も。
なので、資金の準備などと共に、モチベーションを維持できること。
「看護師になるんだ、という強い意思」
の確認もした方が良いでしょう。
まとめ
看護師を目指すのは、それほど簡単なことではありません。
特に正看の場合は二足の草鞋では不可能。
准看の場合でも、それなりの覚悟を持って臨む方が良いでしょう。
言っても資格が必要な職業やからね
命を扱う仕事の資格だから、当然っちゃ当然だね
これは費用の面でも同じ。
結構な金額が必要なので、しっかりと計画性を持って考えた方が良いでしょう。